3歳児健診で歯の異常が見つかったら?小児歯科で行う精密検査と治療の流れを徹底解説
「3歳児健診で歯科健診を受けてって言われたけど、何をするの?」
「うちの子の歯に問題があるって言われて心配…」
「小児歯科での検査や治療って痛くないの?」
3歳児健診で歯の異常が指摘されると、多くの保護者の方が不安を感じられるのは当然のことです。今回は、3歳児健診後の小児歯科での精密検査と治療の流れについて、詳しく解説いたします。
3歳児健診で歯の異常が見つかったらどうする?
3歳児健診で歯科受診を勧められたら、まずは小児歯科のある歯科医院を受診しましょう。健診は基本的なチェックにとどまるため、詳しい状態を把握するには専門的な検査が必要です。
この時期に指摘される主な問題として、虫歯が最も多く見られます。特に奥歯や歯と歯の間にできやすく、保護者の方が気づきにくい場所に発生することがあります。乳歯は永久歯よりもやわらかいため虫歯にかかりやすく、痛みを感じにくいことも多いため、気づかないうちに悪化してしまう可能性があります。
歯並びの問題では、乳歯の生える順番や位置の異常、歯と歯の間隔が狭すぎる、または広すぎるといった状態が見つかることがあります。3歳頃は前歯が斜めに生えてきたり、隙間ができたりするのはよくあることですが、将来の永久歯の歯並びに影響する場合もあります。
また、歯の色や形の異常として、歯の表面が白っぽく濁っている、歯に茶色や黒い斑点がある、歯の形が通常と異なるといった問題も指摘されることがあります。噛み合わせの問題では、上下の歯が正しく噛み合わない、前歯が出すぎている、受け口(反対咬合)といった状態も見つかる場合があります。
早めの受診により、問題が大きくなる前に対処できるため、健診で指摘されたら迷わず歯科医院を受診することをお勧めします。「乳歯はいずれ生え変わるから」と油断せず、永久歯の健康を守るためにも適切な対応が重要です。
小児歯科で行う精密検査とは?
小児歯科では、3歳のお子さまに配慮した方法で精密検査を行います。お子さまが怖がらないよう、段階的に進めていくことが大切です。
視診では、歯科医師が直接お子さまの口の中を詳しく観察し、虫歯の有無や進行度、歯茎の状態、歯並びなどを確認します。この際、お子さまが怖がらないよう、「お口の中を見せてね」「歯がどんなふうになってるか見てみようね」といった優しい声かけをしながら進めます。
レントゲン撮影は、3歳のお子さまの場合は撮影が困難な場合も多いため、症状や必要性を十分に検討してから実施します。レントゲンでは、目に見えない歯と歯の間の虫歯や、顎の骨の中にある永久歯の生え方などを確認できます。お子さまが怖がる場合は、無理に行うことはありません。
レントゲンの撮影により、治療前の状態を記録し、今後の治療計画の参考にします。また、保護者の方への説明にも活用され、お子さまの口の中の状態を分かりやすくお伝えできます。
検査中は保護者の方にも診療室に入っていただき、お子さまが安心できる環境を作ります。検査内容についても丁寧に説明し、お子さまにも「今度はこれを使うよ」「ちょっと写真を撮るね」といった形で事前に説明してから進めます。
治療の流れは?

小児歯科での治療は、お子さまの年齢や性格、治療への協力度を考慮して段階的に進められます。3歳のお子さまの場合、特に慎重なアプローチが必要です。
まず、お子さまが歯科医院の環境に慣れることから始めます。治療器具を見せて触らせたり、歯科医師やスタッフとのコミュニケーションを通じて、恐怖心を和らげます。この段階を「トレーニング」と呼び、お子さまのペースに合わせてゆっくりと進めていきます。「歯医者さんは怖いところじゃないよ」ということを実感してもらうことが重要です。
実際の治療では、虫歯の治療が必要な場合、まず虫歯を取り除き、詰め物をします。3歳のお子さまの場合、乳歯専用の材料を使用し、できるだけ短時間で治療を完了するよう配慮します。治療中は「もう少しで終わるからね」「とても上手にできてるね」「頑張ってるね」といった声かけを続け、お子さまの不安を和らげます。
予防処置として、フッ素塗布やシーラント(奥歯の溝を埋める処置)を行うことがあります。これらの処置は痛みがなく、虫歯の予防に非常に効果的です。フッ素塗布では「歯を強くするお薬を塗るよ」「虫歯バイキンをやっつけるお薬だよ」といった説明をし、お子さまにも分かりやすく伝えます。
治療時間は3歳のお子さまの集中力を考慮し、30分程度に設定します。複数回に分けて治療を行うことが一般的で、お子さまの体調や機嫌に合わせて調整します。無理をせず、お子さまのペースに合わせるよう努めます。
まとめ
3歳児健診で歯の異常が指摘されても、適切な検査と治療により、お子さまの口腔健康は十分に守ることができます。早期発見・早期治療により、より簡単で痛みの少ない治療が可能になります。
当院では、お子さまが歯科医院を怖がらずに通えるよう、様々な取り組みを行っています。当院では必要以上に虫歯を削ることがないよう予防に重点を置き、シーラントやフッ素塗布、適切なブラッシング指導を通じてお子さまの健康な口腔環境を維持します。
万が一虫歯の治療が必要になった際も、お子さまがリラックスして治療に臨めるような工夫をし、わかりやすい説明で治療への不安を和らげます。年齢や発育段階に合わせた歯磨き指導も行い、お子さまが「歯医者に通う習慣」を自然に身につけられるようサポートいたします。
怖がっている、嫌がっているお子さまに無理強いすることはありません。ゆっくり丁寧に治療を進め、歯科医院に慣れてもらうことから始めます。3歳児健診で歯科受診を勧められた方、お子さまの歯について心配なことがある方は、お気軽にご相談ください。