保護者必見!子どもの歯を守るために知っておきたい小児歯科の基礎知識
「うちの子、歯磨きを嫌がって困っている…」
「いつから歯医者さんに連れて行けばいいの?」
「子どもの虫歯予防って、何をすればいいの?」
お子さまの歯について、こんな悩みを抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。子どもの歯は大人の歯とは全く違う特徴があり、正しい知識と定期的な歯科受診が将来の口の健康を決めます。
なぜ子どもの歯は特別な治療が必要なの?
乳歯は「練習用の歯」ではありません
多くの保護者の方が「どうせ生え変わるから乳歯の虫歯は大丈夫」と考えがちですが、これは大きな間違いです。乳歯には永久歯が正しい位置に生えてくるための「道案内」という重要な役割があります。
乳歯を早く失うと、永久歯が変な方向に生えてきたり、歯並びが悪くなったりする原因になります。さらに、乳歯の虫歯が進行すると、その下で準備している永久歯にも悪い影響を与えることがあります。
子どもの歯が虫歯になりやすい理由
歯の表面が薄くて弱い
乳歯のエナメル質(歯の表面の硬い部分)は、永久歯の半分ほどの厚さしかありません。そのため虫歯菌の酸に溶けやすく、一度虫歯になると急激に進行します。
痛みを感じにくい
乳歯は神経が小さいため、虫歯が進行しても痛みを感じにくく、気づいた時には既に大きな虫歯になっていることが多いのです。
年齢に合わせた歯のお手入れ方法
0歳〜1歳:「歯磨きって気持ちいい」を覚えさせよう
生後6ヶ月頃、下の前歯がちょこんと顔を出します。この時期から口の中を触られることに慣れさせましょう。濡らしたガーゼで歯と歯ぐきを優しく拭き、赤ちゃん用の柔らかい歯ブラシで軽くタッチします。歌を歌いながら、楽しい雰囲気で行うのがコツです。
1歳〜3歳:虫歯の「魔の時期」を乗り切ろう
この時期は乳歯がどんどん生えてきて、同時に甘いものを覚える時期でもあります。虫歯のリスクが一気に高まる「要注意期間」です。
子ども自身に歯ブラシを持たせて「真似っこ」させながら、保護者による仕上げ磨きは絶対に必要です。おやつの時間を決めて、ダラダラ食べをやめることも大切です。
3歳〜6歳:「自分で磨ける」習慣づくり
この時期の子どもは「自分でやりたい」という気持ちが強くなります。鏡を見ながら一緒に磨き、「奥歯の溝をシュッシュッ」など擬音語を使って楽しく教えましょう。磨けたら大げさに褒めて、仕上げ磨きは「魔法の仕上げ」として行います。
6歳〜12歳:大人の歯との「共存期間」を大切に
6歳頃に生えてくる奥歯(6歳臼歯)は、一生使う大切な永久歯です。しかし、一番奥に生えるため磨きにくく、虫歯になりやすい歯でもあります。歯の高さがバラバラで磨きにくく、歯並びの変化も起きやすい時期です。
当院が実践する「痛くない」虫歯予防法
フッ素で歯を強くする
フッ素は歯の表面を強くして、虫歯菌の酸に負けない歯を作ります。当院では年齢に合わせた濃度のフッ素を使用し、嫌がるお子さまには味付きのフッ素を用意しています。
歯並びが気になったら、いつ相談すべき?
早めの相談がお子さまの負担を軽くします
「永久歯が生え揃ってから」と考える保護者の方も多いのですが、実は成長期の治療には顎の成長を利用できる、歯を抜かずに済むことが多い、治療期間が短くなる、費用を抑えられるといった大きなメリットがあります。
こんな時は早めにご相談を
3歳頃: 受け口、指しゃぶりや舌を出す癖が続いている
6歳頃: 前歯が重なって生えてきた、永久歯が変な場所から生えてきた、乳歯がなかなか抜けない
歯医者嫌いにならないための当院の工夫
当院では、お子さまが安心して通院できるよう様々な工夫をしています。初回はいきなり治療をせず、診療台に座る練習から始めます。器具を実際に触ってもらい、「できたね」をたくさん伝えます。
治療時は表面麻酔で注射の痛みを軽減し、極細の針を使用してお子さまのペースに合わせた治療を心がけています。
定期検診で「治療のいらない歯」を目指しましょう
当院では、3ヶ月に1度の定期検診をお勧めしています。小さな虫歯の早期発見、歯磨きの上達度チェック、フッ素塗布で歯を強化、歯並びの変化を観察、保護者の方への相談対応を行います。
検診を続けることで虫歯になりにくい口の環境づくりができ、治療が必要になっても簡単な処置で済むようになります。
緊急事態!こんな時はすぐにご連絡を
歯をぶつけてしまった時
出血している場合は清潔なタオルで軽く押さえ、歯が欠けた場合は欠けた部分を探して持参してください。歯が抜けてしまった場合は、抜けた歯を牛乳に浸すか口の中で保管し、30分以内に当院にお電話ください。
急に歯が痛み出した時
冷やしすぎは禁物で、濡れタオル程度にとどめ、うがいで口の中を清潔に保ちます。痛み止めは年齢に適した量を確認してから使用してください。
まとめ
子どもの歯を守ることは、将来の健康な笑顔を守ることです。「完璧を目指す」よりも「続けること」が大切です。お子さまのペースに合わせながら、楽しく口の健康づくりに取り組んでいきましょう。
当院では、0歳から15歳までのお子さまの成長に寄り添った歯科治療を行っています。小児歯科の経験豊富な歯科医師が、お子さま一人ひとりの成長段階や性格に合わせた治療計画を立て、予防から治療まで責任を持ってお手伝いいたします。
「子どもが歯医者を怖がっている」「正しい歯磨きの方法を教えてほしい」「歯並びが心配」など、どんな小さなことでも構いません。また、小児矯正に関するご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお声かけください。お子さまが「歯医者さんって楽しいところ」と思えるような、温かい雰囲気づくりを心がけています。